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欲望の翼
欲望の翼 (JUGEMレビュー »)

熱帯のジャングルを俯瞰するあの緑色の風景は、飛び続ける『脚のない鳥』の視線のようだ。じわりと汗をかいた男女が、サッカー競技場の売店で『1分間の友人』になる、それは『永遠に続く1分』の始まりだった・・・。

私がレスリー・チャンに激しく恋をするきっかけになった1本。ここから香港映画にのめりこみ、今もレスリーと香港に恋をし続けている。あなたにも、『あの1分』の魔法を、是非。
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Do you want to bet? そのさん
これの続き。
(完結。「そのひゃく」まで書く、という野望はやっぱやめました)
彼は新しい賭けを提案した。
「あの出逢いから1年後・・・どんな風に、どこで、僕達が再会したか、憶えてる?もしきみが勝ったら、今夜僕は日本に飛ぼう」
それ、私が勝つわよ、賭ける?と笑うと、賭けよう、さあどんな風にどこでだった?と彼は促した。


「1年後、私はまた家族旅行でシンガポールへ、2度目のラッフルズホテル。チェックインして、部屋に向かう途中・・・」
「それから???」
「ロビーの片隅で、あなたとすれ違ったのよ。あなたは“Good evening”って挨拶した」
「うん、それから?」
「部屋に着いたら、あなたが電話してきて・・・“僕だよ!さっきすれ違ったのに、わからなかった?どうしてこの半年、メールも電話もくれなかったんだ?”って言われた」
「イエス・・・あの再会の日は、僕のラッフルズホテル勤務の最後の日でもあった・・・で、それから?」
「電話を切ったあとすぐ、あなたが私達の部屋にやって来て、“Welcome back to Raffles Hotel!!”って。廊下を早足で歩きながら」
「ああ、あの時・・・もしきみの両親が側に居なければ、思いっきりハグしたい気持ちだったよ!」
「んー、両親が部屋に入ったあと、廊下でハグしたけど」
「だけどそれは・・・ small hug だった。照れくさくて、きみにキスも出来なくて」


私達は、再会しようとして再会したわけではなかったのだった。ニューイヤーイヴパーティーで出逢ったあと、帰国してからメールのやり取りが始まり、やがて週に1回ペースで彼が電話を寄越すようになったのだが、半年ほどして彼からの連絡がぱたりと途絶えてしまった。私達のメールや電話の内容は、楽しい冗談の飛び交うかなり親しげなものではあったけれど、私の認識ではまだそれは「とても親しい友達」の範囲の中で。私達はまだ一言も「恋」という言葉を使っていなかったから。


それでも、何の前触れもなく連絡が途絶えた時は、やはり胸が痛んだ。だが私はあえて「どうして?」と考えることをせず、こちらからも連絡をしないで、そのままに。そうしてなんだか気の抜けた半年が過ぎる。で、年末年始、恒例の家族旅行の時期がやってきて、本来は別の国に行く予定だったのが、旅行会社の不手際ですったもんだして、急遽シンガポールへ変更。またラッフルズだと聞いた時は、ふと彼のことが頭をよぎったが、だからどうということもなく、ただ決められた家族旅行の日程をこなすことだけを思ってうんざりしていた。


なので、ラッフルズのロビーで彼とすれ違った時も、good evening という彼の挨拶に、にこりと会釈しただけ。どうしてこの半年何の連絡もしてくれなかった、と言われた時も、「何の話???」と目を白黒。私は、彼が私を忘れてしまったのだ、と思っていたのに。後で彼に聞いてわかったのだが、当時彼は、貴重品一切が入ったバッグを失くして大変だったのだそうだ。パスポート・現金・携帯電話・アドレスブック・・・などなど、全部いっぺんに失くして(盗難?)、私の連絡先がわからなくなったのだという。それでもいつか私から連絡があるだろうと、ずっと待っていた、と。


ところが、半年、私からの音沙汰はなし。11月に私の名前で予約が入ったのを見て、彼は躍り上がったと言った。しかし本当にこれが私なら、「またシンガポールに行くよ」という事前連絡があるだろうに、何も言ってこない。同姓同名の別人かもしれない、と、当日私の顔を見るまでやきもきしたのだそうだ。チェックインした私のパスポートナンバーを去年のリストと照会し、ロビーで顔を見て、やっと私本人だと確信して、部屋に電話をしたらしい。


ずっと連絡もなく、僕の顔を見てもにっこり会釈しただけ、僕を驚かせるだけ驚かせて、きみはなんて意地悪でなんて悪戯でなんて高慢ちきな、と、後で彼は笑いながら散々私をなじった。そういう、不思議な偶然の末の、再会だった。


「さあ、やっと僕らはささやかなハグをした。それから?」
「あなたは、“今日は僕のラッフルズでの最後の日なんだよ”って言った。来月から僕はカンボジアの系列ホテルに移るから、って。で、“今度はカンボジアで会おう、OK?”ってウィンクした」
「それから?」
「ええと、短いお喋りをして、あなたは、明日の夜ディナーを一緒にどうか、って言って、私達家族全員を招待するって。約束通り翌日、あなたの用意してくれたタクシーで、シーフードレストランに行った。結局、家族は来なくて、私ひとりで行ったんだけど」
「イエス・・・思い出すよ・・・あれが全ての“ACTION”の始まりだった!」


「シーフード、おいしかったなー。・・・ああ、そうそう、あなたは私達の席番号を見て、“良い番号だ”って言ったのよ。で、私が“良い番号って、どうして?”って訊いたの」
「68番だった!」
「うん。6と8は、中国の、広東人の間ではラッキーナンバーなんだ、って」
「そうだ」
「6は“possibility” 8は“over than” っていう意味なんだよって教えてくれたの。それから、4は良くない数字だと言われてる、って。なんでかっていうと、広東語で四(セイ)は、死(セイ)に音が通ずるからだ、って」
「ワオ・・・感動ものだよ・・・きみは全部憶えてるんだ!」


彼は私の記憶の細かさに大喜びした。私は、「かしこい?私、かしこい?」と得意になって、2人で笑う。


「ディナーのあと、食べ過ぎたって私が言ったらあなたは、じゃあ泳いだ方がいいな、って言って、私を海に投げ込もうとしたわ」
「本当にそうしてやればよかったよ!(笑)」
「“無理だと思うけど。私、重いから”って言ったら、“出来るよ!僕はマッチョマンなんだ!”って威張ってたわね」
「あのとき僕は既に考えてた・・・僕らは今度はいつこんな風に過ごせるんだろう?ってね」
「ああ・・・言ってたわね。飛行機を指差しながら、“明日きみはあれに乗って日本に帰ってしまうんだ、僕はそれを見て、サビシイ、サビシイ、って泣くんだよ”って。しばらく夜空眺めて“ほら、飛行機が飛んでいくよ、あっちはインドネシアだ”とかお喋りして・・・それから、あなたは私をハグして、“It's so romantic”って、ひとこと」
「イエス・・・きみと居ると全てがいつもロマンティックなんだ」


さて、やや色気のない話になるが、こうやって共通の良い思い出、とりわけ付き合い始めの頃の楽しかったことを話し合うのは、関係を若返らせるのに効果があることが、心理学的にも実証されているそうである。なので、たとえば結婚記念日など、定期的にスタート地点を思い返す行事には、それなりの意味があると思っていいだろう。私達の場合は、出逢いの日と再会の日が共に正月だということで、毎年新しい気持ちでスタート出来るのはラッキーかもしれない。


彼はとても幸福そうに沢山の思い出を語ったが、ボスのオフィスへ行かねばならなくなって、お喋りは終わりに。是非また今度このロマンティックな話の続きをしよう、こうやってきみとスウィートな記憶を語り合うのはとても素敵だ、今夜夢の中であの夜のように海辺を一緒に散歩しようね・・・と、いつもよりこまごまと別れの挨拶をして、オフラインになった。私もしばらく幸福に浸ってにこにこしていた。


が。


私は、賭けに勝ったんですけど。
私が勝ったら彼が日本に飛ぶって言ってたんですけど。
その約束は?????


・・・・・・・・・・・・詐欺られた(TeT)(TeT)(TeT)


(終わり)
| Love | 17:55 | comments(4) | trackbacks(0) |
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コメント
>「68番だった!」
69番はあるの?(せくはら

オレ、ここに出入りするようになったキッカッケを忘れてる。ダミダ・・・燃えるような恋の資格ないよヽ(TeT)/
| しながわ | 2004/11/27 1:24 PM |
>しながわどん
もし69番に座ってたら、その後の展開は大きく変わってたな。

「しっくすないんは、いいすうじだよ」
「せんせー、どーしてですか?」
「おとこのひとと、おんなのひとがね、○○と××を△△して・・・」

げへへへへへへ(・∀・)


・・・って、こんなことゆってる私にもアツイ恋の資格はないぃぃぃぃぃヽ(TeT)/
| dear | 2004/11/27 2:44 PM |
わわわわ!
運命ですね、運命!
ですてにー!
本当に、そう思いましたよ!
素敵な話しです〜。
100まで、読みたい!
どうか、そこのところひとつ!

って、記事の更新に対するコメントの
遅さに、うちのネットワーク環境を察してください。
調子いいときは、いいんですけどねー。
"レナードの朝"みたいなのですよ・・・(泣)
| はな | 2004/11/29 8:50 AM |
>洟さぁぁぁぁん
レナードの朝って、それじゃ終いには眠りについちゃうじゃないですかっ、動かねー!(笑

ですてにーでしょっ、うふうふうふふふふふ・・・ってね、私、今までの人生で何度「これは運命よっ」って言ったかわからない、という、恥ずかしい過去があるのですよ。(激白)下手したらこの話も2〜3年後には「削除したい過去」になってる可能性もあるわけで、そのへん自分でもヒヤヒヤしながら喋くってるわけなんですけども。

でも開き直って、100までいきましょーかっ!っちゅーか千夜一夜のイキオイで!うざったくなったら放置してくださいねっ!(笑
| dear | 2004/11/30 10:31 AM |
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