ひまわり
これが私の激鬱映画、『ひまわり』。
18歳の頃観たのが最初だった。深夜偶然テレビで観て、激鬱のバリ落ち。
が、激鬱だから嫌い、というのではない。寧ろ激しく好きな映画だ。
名画だと叫びたい。いや、私が叫ばなくても名画なんだけど。
戦争に行って帰らぬ夫を待ちながら、自宅でひとり、無言で食事するジョバンナ(ソフィア・ローレン)。もうこの姿が既に激鬱。ドアの外は燦々と太陽が照っているんだろうなと思わせるほどに、家の中の影が濃く暗い。そこに夫の母親がやって来て、もう待つな、と言う。死んでるのだろう、と。
だけど、あんなに愛し合って結婚したのだ、大笑いして大騒ぎして光に溢れる新婚旅行があったのだ。ジョバンナはひとりでロシアまで夫を探しに行く。
もうこの後は世界中が既に知っているように、激鬱で激泪の連続で、鬼のような結末が待っている。もう死んだ方がいいのか生きててよかったのか、私だったら人生であんな目に遭うのは真剣にごめんだ。
そして、嫌がらせのように鮮やかに金色に広がるひまわり畑。やめてくれえっ、あの光に溢れた愛の日々の煌きと重なってしまうではないかあっ。あれ以来私は、ひまわりの大群を見ると条件反射で泪がちょちょ切れるようになった。正直言うと、一輪見ただけでも駄目。泣く。
もういや、ホントにいや、と言いながら、時々観返してしまう映画。
文句なく名作。
戦争なんか、嫌だよ。本当に本当に嫌だ。
戦争は何もかもこわしてしまうんだから。